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いろりの効用 | 悠久録(長岡新聞コラム)

悠久録column

いろりの効用

 長岡の少年詩人大関松三郎の詩に「あまさけをかこんで」という次のような詩がある。
 いろりのまんなかに/おおきなあまさけなべをかけて/寒い夜 どんどん火をたいている/あまさけのにえるのをまって/つぁつぁは わらんじつくり/まさは ねこをいじくっているし/秋はえほんをよんでいる/守はたけとんぼけずりだし/ぼくは算術をしている/みちはかっかのひざをまくらにしてぐっすりねこみ/かっかは 半分のひざに健をのせて乳をのませ/兄のももひきをなおしている。
 かって囲炉裏は家族のコミュニケーションの重要な場であった。ところが、いま面と向かった話をするな、マスクで口や鼻を隠せ、対面して食事や会話を避けよといったウイルスの防護策が奨励される。
 面と向かって会話する、大勢で飲食するなど人の社会活動の重要な要素であるにも関わらず、それがこのウイルス蔓延の原因と避けられる。
 その人間の社会活動、家族の絆の中心となったのが囲炉裏であった。囲炉裏の跡は縄文遺跡から見つかる長い歴史を持つ。
 長い歴史をもつ囲炉裏が燃料革命やコミュニケーション革命によって失われ、今またコロナウイルスによって、更に失われてしまった。かつての囲炉裏のように、早くコロナウイルスの脅威が去って、家族や社会のコミュニケーションの場が蘇ってくることを願う。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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高橋 実

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