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岸壁の母 | 悠久録(長岡新聞コラム)

悠久録column

岸壁の母

 4月29日は「昭和の日」の祝日である。朝のラジオを聞いていたら昭和の歌が様々流れていた。その中の一つが「岸壁の母」だった。
 「もしやもしやにひかされて」という歌詞通り、生死不明のわが子が生きて帰ってくると信じて、東京から遠く舞鶴まで通い続けた母端野いせがモデルとなっている。女手一つで育てた息子信二の帰りを待って昭和25年以来、6年間も舞鶴の岸壁に通ったとか。この話を聞いて藤田まことが作詞して菊池章子が唄ったが、途中で詰まってしまった。菊池は「この悲劇を想ったら、涙がこぼれますよ」と語ったとか。そして日本中を感動の渦に巻き込んだ。
 端野いせは昭和56年亡くなるが、長男信二は実は上海で生きていて、死んだことになっている自分は今更日本に還れないと語ったという。
 この歌を聴きながら北朝鮮に拉致された横田めぐみさんや中村三奈子さんの事と重なって胸に迫るものがあった。中村三奈子さんのお母さんと会って、娘への思いにこみ上げてくるものがあった。横田めぐみさんが拉致されて43年が過ぎた。中村三奈子さんは、1998(平成10)年4月、18歳のときに行方が分からなくなり、2003(平成15)年7月に、特定失踪者となって14年が過ぎた。
 行方の分からない我が子を探す親の切なさが身にしみる。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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