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山菜取り | 悠久録(長岡新聞コラム)

悠久録column

山菜取り

 妻に誘われて小国と小千谷市域近くの山に出かけて山菜取りを楽しんだ。そこは30年前まで我が家の田んぼのあった場所で、小城山近くの傾斜でゼンマイやコゴミ取りを楽しんだ。
 それにしてもこの山地の荒れようには驚くばかりだった。あちこちに抱きかかえる様な楢の木が根元から折れて、斜面に横たわっている。今年は雪が多かったせいであろうか、枝が折れた灌木に藤蔓が巻き付いて人の通りを妨げている。昔田んぼだった場所には大きな灌木が育っていて、畔だった場所のみ盛り上がっていて、田んぼの跡と偲ばれる。
 沢のあちこちには残雪が残っていて、そこから流れ出した雪解け水が小川になって流れ下っている。
 雪が消えた斜面の高い所に青々と若芽が育ち、綿に包まれたゼンマイが芽を出していたが、ウドはまだ早すぎてみることができなかった。麓に低地帯には一面に雪で押された枯れ茅が敷いたようになって、コゴミが芽吹いていた。
 山菜取りに行った山であるが、山菜よりもこの山の荒れようにはため息つくばかりである。少しでも田んぼを広げようと山の斜面を鍬一丁で広げていった先祖の苦労を偲び、この荒れた田地の跡を見て、ため息が出るばかりだった。
 この冬は猪が出たり、熊が出たり、荒れた山には動物がのさばっている。家の先代がこの荒れた山をどんな気持ちで眺めるだろう。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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高橋 実

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