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花見のルーツ | 悠久録(長岡新聞コラム)

悠久録column

花見のルーツ

 桜の花の季節になった。朝ラジオを聞いていたら日本人と花見について話していた。桜の木の下に大勢で集まり、花見には三つの要素があり、その一つが桜の木の並木、二つ目が大勢で集まる人、三つ目がその木の下で飲食するという事だとか。飲食を共にする習慣は外国にはないという事だった。花を愛でることはあるが、その下に大勢で集まることはないという。チェリーという外国語はサクランボの実を指す言葉だと話していた。
 桜の花は日本には古来から親しい花であって在原業平の「世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」という歌が古今集に載っている。桜の花の散るのを心配している歌である。
 花見のルーツは祭りで神様にお祈りした後、神の前で共に飲食する直会(なおらい)にある。祭りの終了後に、神前に供えたお神酒や供え物を神職をはじめ参列者の方々で戴くことが直会である。この共食により神と人とが一体となることが、直会の根本的意義であるという。
 古来日本人は、大勢で集まり、お互いに顔を合わせ、共に飲食してそこで共同意識を育ててきた。花見もその一環で共に飲食することが大事であった。「花よりだんご」の諺がある。風流より実質と言う意味である。
 この花見が今年はコロナ禍でできそうもない。上野公園の桜の木の下では人が集まらないように縄が張られていた。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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