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渋海川のショウジンコ | 悠久録(長岡新聞コラム)

悠久録column

渋海川のショウジンコ

 かって渋海川上流の旧川西町岩瀬にすみ、現在は柏崎市に転居した郷土史家金子幸作さんの自分史『晩節の随想』と題する本を、著者の娘さん咲江さんから送られてきた。
 金子さんとは前から交流があり、岩瀬のお宅に何度かお邪魔した。
 その本の中で面白かったのは渋海川のショウジンコの話である。ショウジンコとは河童の事。その本によると、月夜の晩に河原で相撲を取るジョウジンコの姿を見かけたという。彼らは相撲が好きで、村の若者に会うと、誰かれなく「相撲をとろうぜ」と呼びかけ、「勝ったらキュウリを三本持ってきてくれろ。もし負けたら仕事を手伝ってやる」と約束したと言う。
 明治4年8月夕方、岩瀬の市右エ門が馬を連れて山仕事から帰宅途中、ショウジンコが馬の尾にぶら下がって馬小屋に入り、真夜中に馬に食いついたので、馬が驚いて暴れ、家人が駆け付けるとショウジンコは木の葉に化けて小さくなっていたとか。
 ショウジンコが子供達に身近に姿を見せるのは、渋海川で行われる水泳ぎの期間、一人で川へ遊びに行ったり、水泳禁止区域で泳いだりすると、水底から長い手を伸ばしてその子のシリゴ(肛門)を抜き、水底へ引きずり入れるというので、悪童たちにはおっかない存在だったようだ。
 筆者も子どもの頃、夏は渋海川で専ら泳いだが、ショウジンコの話は聞いたことがなかった。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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高橋 実

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