「赤い鼻緒が ぷつり と 切れた すげてくれる手 ありゃしない 駆け出す 指に血が滲む」と坂本冬美の歌う演歌「夜桜お七」は江戸時代の「八百屋お七」が基になっているといわれる。
さらに「丙午(ひのえうま)年の生まれの女性は気性が激しく夫の命を縮める」という迷信がある。最近では昭和41(1966)年が丙午にあたり、この年出生率が極端に下がったといわれている。これは、江戸時代の初期の「丙午の年には火災が多い」という迷信が、八百屋お七が丙午の生まれだとされたことから、女性の結婚に関する迷信に変化して広まっていった。
江戸の大火で円乗寺に避難の際、寺小姓吉三郎と情を通じ、再会を願うあまり放火、火刑になった。井原西鶴の浮世草子『好色五人女』に書かれて以来、多くの歌舞伎・浄瑠璃に脚色された。
この物語は瞽女唄にもなっていて先の「妙音講」で葛の葉会の室橋光枝さんが唄った。火事になればまた吉三に会えると思ったからである。「忍びの段」「火あぶりの段」などがあるが、この日は、「忍びの段」が唄われ、お七が恋人吉三の所に忍んでゆくくだりであった。江戸時代にもお七のような情熱的な女性がいたのである。
「火事と喧嘩は江戸の華」と言われるようにこの頃江戸では火事が頻繁に起きた。天和の大火をお七火事(おしちかじ)ともいう。天和の大火(てんなのたいか)とは、天和2年(1683)年12月28日に発生した江戸の大火である。28日正午ごろ駒込の大円寺から出火し、死者は最大3500人余と推定されている。お七の生き方は後世に尾を引いている。(ひこぜん)
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