津軽には七つの雪が降ると新沼謙治は歌う。こな雪・つぶ雪・わた雪・ざらめ雪・みず雪・かた雪・こおり雪。
これは太宰治の小説『津軽』からとったといわれる。ただ、これには降ってくる雪と下に積もった雪の混同が見られる。粉雪や綿雪・みず雪などは降ってくる雪であるのに対して、ざらめ雪やかた雪は下に積もった雪である。
越後でも水雪は暖かい気候で水分のたっぷり含んだ冬初めの雪か、終わりに降る雪である。霙(みぞれ)という漢字もある。つぶ雪は越後でいう霰(あられ)にあたる。子供のころの小国では「あなれ」とよんで、食べるあなれと区別できなかった。豆粒のような雪がばらばらと音を立てて降ってくる。粉雪は冷えた真冬に煙のように降ってくる。風と一緒に降ってくると先の見えない吹雪になる。一晩で新雪が一メートルも積もることも小国ではまれではない。
これに対してざらめ雪やこおり雪は下に積もった雪の状態を表す語である。新しい雪はぬかるんで、歩くと膝まで埋まってしまう。雪に足がもぐることをドビル(またはドブル)という方言で呼ぶ。それだからこの新雪の積もった朝には、軟らかい積雪を固めるに雪踏みカンジキは欠かせない。
雪の種類はともかくその積もった雪の量を表す言葉が十日町地方に残っている。新雪の積雪量によって履物を変えなければならない。草履雪・クツ雪・スッポン雪・カチケ雪・スカリ雪ということばである。朝の積雪量を聞かれた時に使う。スカリ雪など一晩で一メートル以上の大量の積雪を指す。(ひこぜん)
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